SV環境のカイオーガが抱えるスカーフ潮吹きのリスクと克服までの道のり

ポケモンHomeが解禁されてからカイオーガを対戦で使い続けてきましたが、

今作のカイオーガをSV環境へどう適応させるか試行錯誤をしてきたので、記事にしてみました。

 

前作のカイオーガダイマックスにより、自分より遅い相手には雨下潮吹き。

自分の体力を大きく削られる際にはダイマックスを切って、自慢の高耐久を底上げしつつ、潮吹きの威力を150に維持したまま撃ち合いを制することができました。

 

今作はテラスラルによって潮吹きの火力を更に引き上げることに成功しました。

性格補正なしの雨下水テラスタル潮吹きの火力指数は、なんと90,900!!

これは耐久無振りのドラパルトをも半減で沈める程の火力です。

これはもうステルスロックを撒いてスカーフ持たせて潮吹き連打してればどんな対戦もEasyWIN!・・・・

 

 

そう思ってた時期が私にもありました。

 

第9世代ではテラスタルによる耐性変化の強引な潮吹き受けの成立が発生しました。

特に水テラスタルは汎用性が高く、多くのポケモンに採用されており、不意に試合のテンポを崩される機会が多くなっています。

 

「強引な受けなら前作のダイマックスでも出来たし、予測すればいいのでは?」という意見もありますが、それをし難い原因があります。

〇誰がカイオーガを受けるのかが見えない

カイオーガの圧倒的な火力すら耐える代表的なポケモンとして、「貯水」「呼び水」といった水タイプを無効化できる特性持ち。ハピナスの様な極端に特防が高いポケモン。特防が高くて且つ水タイプを半減に出来る高耐久ドラゴンタイプなどが存在しますが、

これらは選出段階で分かり切っている事です。

例えばヒードランでは突撃チョッキを持たせてようがカイオーガの潮吹きを受けることができませんが、草テラスタルを切れば余裕を持って受けきることが出来る上、草テラバーストでカイオーガのHPを大きく削ぐことが出来ます。

前作ではダイマックスを切られようが、特殊耐久に大きく努力値を割いていようが

タイプ相性が有利であれば問答無用で落とす事が出来たのに対し、意識外から試合のテンポが崩されてしまうのです。

 

これだけであれば、早々に別のポケモンに引っ込めて立て直せばいいのですが

カイオーガが潮吹きで拘っている状態でHPを大きく減らされる」

ダイマックス廃止により強引な技の撃ち分けやダイストリームの押し付け手段喪失」

ハピナスの様な低火力高耐久ポケモンではなく、高火力アタッカーに止められた」

この3つが嚙み合った結果、次の事例が発生します。

 

カイオーガを起点にされて試合が崩壊する

 

 

カジュアルバトルでカイオーガを使ったことがある人は思い当たる節があるでしょう。

特に禁止、幻統一で対面構築を組んだ場合、現在解禁されているポケモンには

サイクルや切り返しに長けたポケモンが居ないため、対面構築であった場合、

引こうにも引けず成すすべがなくなってしまいます。

これに気付いた時点で私は現在の禁止伝説パではスカーフ運用を諦め、他の型を模索していました。

 

まず始めに「無理に上から潮吹きを打つのではなく、耐久に大きく努力値を割いて

水、電気、氷の広い技範囲を何度も押し付けて数的有利を取る」をコンセプトに考えました。育成論を載せておきます。

 

性格:控え目

ラスタル:草

努力値:H252 B60 C148 D28 S20

技:潮吹き 根源の波動 雷 凍える風

持ち物:後述

 

性格は火力を伸ばす控え目。テラスタルは弱点を消しつつ、ミラーが有利になる草。

HB 補正なしA252+1 ザシアンの妖テラスタルじゃれつく 確定耐え

HD 補正なしC252 黒バドレックスのアストラルビット 高乱数2耐え

C HD特化ディンルーを雨下潮吹きで確1

 

この努力値を基本として、物理アタッカーが多いときはゴツゴツメットを持たせて

より負荷をかけながら襷、マルスケを潰したり

突撃チョッキを持たせて更なる打ち合い性能の向上をさせてきました。

 

しかし、一般ポケモンの中でも特にキャラパワーが高い

カイリュー」「サーフゴー」「ウーラオス」「パオジアン」「ディンルー」

「ハバタクカミ」。界隈ではBIG6と呼ばれるグッドスタッフの研究が進み、

型の豊富さと火力、耐久、素早さに隙の無い構築がカジュアルマッチにも増加しました。

これらのポケモンに対しては撃ち合い性能は兎も角、数的有利を取るには火力不足に悩み始めました。

1:1しか取れないのであればカイオーガである必要性が薄まってくる中、

選出画面での圧倒的な選出誘導能力だけに留まらせるにも惜しいと感じ、

上記の「耐久に大きく努力値を割いて、高火力を何度も押し付けて数的有利を取る」

というコンセプトを保ちつつ、更なる火力の追求に加え、

「潮吹きを撃っても隙を作らない」にはどうすればよいか考えた結果、

怪物が誕生しました。

 

 

 

 

 

耐久振り眼鏡水テラスカイオーガ爆誕

性格:控え目

ラスタル:水

努力値:H252 B60 C180 D4 S12

技:潮吹き 根源の波動 波乗り 冷凍ビーム

持ち物:拘り眼鏡

 

・一般的なスカーフカイオーガの火力指数

性格補正無し雨下潮吹き 68,175

水テラスタル性格補正無し雨下潮吹き 90,900

 

・上記のカイオーガの火力指数

ラスタル無し

雨下波乗り 64,395

雨下根源  78,705

雨下潮吹き 107,325

 

ラスタル有り

雨下波乗り 85,860

雨下根源  104,940

剣盾時代のザシアンの巨獣斬の2倍以上の火力を5ターンの間に何度も繰り出すことで

凄まじい負荷をかけ続けることができる為、仮にテラスタルで耐性を変えようが余裕で押し流す事が可能です。

冷凍ビームはカイオーガへ後出しされるコライドン(天候を晴れにするので、水技を4分の1で受けることが出来る)、カイリュー、輝石カミッチュなどへの最高打点の為採用しました。

 

「潮吹きの火力指数は載せないの?」

勿論載せますが、ただ火力指数を載せるよりも、実際のダメージ計算と合わせてご覧ください。

雨下潮吹き 143,100

 

水タイプを半減で受けれる特防お化けのヒスイヌメルゴンが突撃チョッキを持っても

後出し不可能というパルデア沈没レベルの破壊力を叩き出します。

また、この型の真の強みはカイオーガのHPが半分程度まで削られても、

補正無しHP満タンの状態で打つ雨下潮吹きよりも高い火力を放てるので

潮吹きで拘った状態でHPを減らされても、起点化する余裕を一切与えない火力を維持出来る事によって、SVのカイオーガが抱えていたリスクを大きく減らすことに成功しました。

 

この記事は以上となります。

ここまで読んでいただきありがとうございました。